【お題「今だから話せること」】恋の卒業エピソード
特別お題「今だから話せること」
桜が咲き始めた卒業シーズン。
「今だから話せること」言えば、やっぱり甘く切ない恋の話だろうか・・・。
それはもう15年以上前のことであるが、その光景は昨日のことのように思い出せる。
その思い出の中にいるのは一人の友人であるが、私はその友人にすら秘密にしていたことがある。
3年間を過ごした学び舎を卒業するその日。
私と友人はある計画を立てていた。
その友人には同じクラスに好きな人がいて、その好きな人が属するグループと、私たち「みんな」でメアド交換しようよ!と持ちかけるという、漫画とドラマに夢中な少女が試行錯誤のうえ生まれた計画である。
だが私たちは生粋の陰キャで、そんな遠回しの計画さえタイミングを計ることができずに、気づいたら教室には数人しか残っていない。
お目当てのグループ(というかクラスの男子全員)は校庭に出ていて、なぜか円陣を組み、なぜかグルグルと回っていた・・・
ああこれがうちのクラスだわ。とバカにしながら2人涙を耐えていた。
そしてその円陣をバックに私たちは写真を撮った。
男子陣は円陣の流れのまま、通学路を歩き始める。
その後を追いながら、もう今日は諦めるしかない。という話と、次の計画を立てた。
次の計画というのは、数日後に開催される打ち上げのときにメアドを渡すというものだ。
そして本当にラストチャンス。打ち上げの日がやってきた。
打ち上げ場所の、駅前カラオケ前にきた私2人。
そう、2人。
約束の時間が近づいても、
過ぎても、
2人だった・・・
打ち上げにはクラスのほとんどが参加すると聞いていたので30人くらいはくるはずである。
そのとき、ひとりの(元)クラスメイトが自転車で通りかかる。
あわてて声をかけて知った事実は「打ち上げは卒業式当日」
そう、私たちは「生粋の陰キャ」である・・・(察)
こうして私たちの恋は終わった。
私が友人にも秘密にしていたのはこのことで、私はメアドを渡そうと企てていたグループの中の一人が好きだった。
友人が好きだった人とは別の人である。
卒業後この友人とも連絡を取り合うこともほとんど無くなり、時々SNSで近況を知る程度になっているので、これを期に当時便乗しようと思っていたことを謝罪して、当時の話でもうひと盛り上がりしよう。